iPhoneを長期間使用して、バッテリーの消耗が早くなる経験をもつ人は多いのではないでしょうか。
バッテリーは消耗品であるため、劣化が進むと充電がすぐになくなってしまうため、交換が必要になります。

iPhoneのバッテリー交換は、専門業者に依頼するのが一般的ですが、自分で行うのも不可能ではありません。
バッテリー交換を自分で行うのは、本体の故障のみでなく火災などの事故につながる可能性があるため、慎重に行いましょう。
今回は、iPhoneのバッテリー交換の基本的な手順を紹介します。
自分で交換をする利点と欠点や、専門業者に依頼するほうがよいケースなどについても解説します。
この記事でわかること
- 自分でバッテリー交換をする利点と欠点
- バッテリー交換を行う前の準備
- バッテリー交換の基本的な手順
- 自分でバッテリー交換が難しい場合は専門業者に相談する
今回の記事を参考にして、安全に配慮しながらiPhoneのバッテリー交換を行ってみてください。
iPhoneのバッテリー交換を自分で行う利点と欠点を理解しよう
iPhoneのバッテリー交換は、専門業者に依頼せずに自分での実施も可能です。
自分でバッテリー交換をすると、修理にかかる時間や費用を抑えられます。
しかし、バッテリー交換には細かく専門的な作業が必要になり、不利になる点や危険が多いのも理解しておくのが大切です。

自分でiPhoneのバッテリー交換を実施する利点と欠点について、以下の4つの視点で解説します。
- 専門業者に依頼する費用と時間を大幅に軽減してすぐに使える
- Apple社が提供する正規の保証サポートが受けられなくなってしまう
- バッテリーの膨張や発火などの事故につながる危険を伴う場合がある
- ケーブルなどの部品の損傷など本体の破損や故障につながる場合も
自分で交換作業をするかどうか、判断に迷っている人はぜひ参考にしてください。
専門業者に依頼する費用と時間を大幅に軽減してすぐに使える
自分でバッテリー交換をすると、専門業者に依頼する費用と時間を大幅に軽減できます。
専門業者にバッテリー交換などの修理作業を依頼すると、1~2週間など長い期間本体を預ける必要があります。
保守期間中など特別な事情を除けば、修理費用を支払う必要もあるでしょう。
一方、自分でバッテリー交換をする場合は、即座に作業に取り掛かれます。
費用面においても、工具や交換用部品の購入と専門業者への依頼を比較すると、後者のほうが高くなるケースが一般的です。
Apple社が提供する正規の保証サポートが受けられなくなってしまう
iPhoneのバッテリー交換を自分で行うと、Apple正規店での保証サポートが受けられなくなってしまいます。
iPhoneでは、購入してから一定の保証期間が設定されるのが一般的です。
保証期間中は故障内容によっては無料で修理が受けられますが、自分でバッテリー交換などの作業をすると保証を受ける権利が消滅します。
本来であれば保証期間での修理においても、有償対応になってしまったり、修理そのものを受けられなくなったりする恐れがあります。
バッテリーの膨張や発火などの事故につながる危険を伴う場合がある

バッテリー交換作業中は、バッテリーが膨張して発火などの事故につながる危険があります。
iPhoneなどスマートフォンのバッテリーには、リチウムイオン電池を用いているケースが多いです。
リチウムイオン電池には可燃性の電解液が入っているため、過熱によりショートを起こすとガスが発生して、膨張および発火につながります。
外部から強い衝撃を与えても、同じように発火を起こす可能性があります。
バッテリーは、iPhone本体から分離しないよう強力な粘着剤で固定されているため、無理に剝がそうとしてバッテリーに衝撃を与えてしまいかねません。
ケーブルなどの部品の損傷など本体の破損や故障につながる場合も
バッテリー交換作業中は、本体とバッテリーを接続しているケーブルやコネクタなどの部品を損傷させてしまうリスクもあります。
本体内の部品が損傷すると、正常な稼働ができなくなり、本体自体の破損につながってしまいかねません。
iPhone本体内には、多くのケーブルやコネクタが用いられており、交換作業時に正しく接続しなおす作業は困難です。
交換作業中のケーブルやコネクタの接続の仕方によって、本来備わっている耐水性能が低下するリスクもあります。
バッテリー交換を行うために必要なものと準備の方法を知ろう
(画像:https://pixta.jp/photo/106693175)
iPhoneのバッテリー交換を行うためには、交換部品と工具を用意する必要があります。
作業中の事故や破損のリスクを減らすため、作業場所および周辺環境への配慮も重要です。
iPhoneのバッテリー交換作業を行ううえでの準備について、以下の2点を中心に解説します。
- バッテリー交換には交換用部品や専用の工具を準備する必要がある
- 安全にバッテリー交換をするための作業場所および環境の確保も大切
iPhoneは、現在多くの機種が販売されています。
機種ごとに準備する部品や工具が異なるケースが多いため、自分の機種に合った準備をするのが大切です。
バッテリー交換には交換用部品や専用の工具を準備する必要がある

iPhoneのバッテリー交換作業には、交換用の部品および専用の工具を準備する必要があります。
一般的には、以下のようなものを準備します。
- 交換用バッテリー
- ドライバー(プラス、星形など機種に使われるネジに合った形状)
- 吸盤または画面オープナー
- ヘラ
- ピンセット
- 粘着テープ
- ヒートガンまたはドライバー
- 静電気防止用具(専用ストラップなど)
交換部品および工具は、すべて自分が使用している機種に適合しているものを選ばないといけません。
近年は、バッテリー交換作業用キットが販売されている機種もあるため、自分で準備するのが難しい場合は活用するとよいでしょう。
安全にバッテリー交換をするための作業場所および環境の確保も大切
交換部品や工具の準備に加えて、安全に交換作業ができる場所および環境の確保も重要です。
バッテリー交換には精密な作業を伴うため、手元がしっかりと見えるよう明るく広いスペースを確保します。
iPhoneのような精密機器はホコリや静電気に弱いため、作業場所はきれいに清掃して静電気を発生させるものを片づけます。
発火などの事故に備えて、耐熱性に優れた不燃性のマットを用意するのもよいでしょう。
作業を行う前に、万が一に備えてバックアップを取っておくのも忘れないようにします。
適正な作業場所の確保に加え、安全面やデータ破損リスクに備えた準備も怠らないのが大切です。
iPhoneのバッテリー交換の具体的な手順を紹介します

iPhoneのバッテリー交換作業は、用意するドライバーの種類など機種による対応の違いはあるものの、基本的には今回紹介する手順で対応できるでしょう。
バッテリー交換作業を実施する前に、手順を一通り理解したうえで始めた方がスムーズです。
以下に、iPhoneのバッテリー交換作業の具体的な手順を紹介します。
- バッテリー残量を20%以下に減らしてから本体の電源を切る
- 本体の液晶画面を開けて接続されているバッテリーコネクタを外す
- バッテリーを外して代わりに新品の交換用バッテリーを設置
- 外すのと逆の手順を順番に行い画面を戻した後にて動作確認をする
しっかりと準備を整えて、交換作業に取り組んでみてください。
バッテリー残量を20%以下に減らしてから本体の電源を切る
当該機種のバッテリー残量を20%以下に減らしてから、本体の電源を切ります。
修理作業前に電源を切るのは、安全に作業をするための鉄則です。
さらに、バッテリー交換の際はバッテリー残量が多いと発火リスクが高くなってしまいます。
万が一、バッテリー交換中に部品への強い衝撃が加わった場合、バッテリー残量の大小によって発火の可能性に違いがあります。
交換作業前は、意図的にバッテリー残量を20%以下に減らしておくと、発火リスクを抑えた安全な作業が可能です。
バッテリー交換前は、あえて充電をせず、残量を減らしてから取り組みましょう。
本体の液晶画面を開けて接続されているバッテリーコネクタを外す

電源を切った後に、液晶画面を開けて接続されているバッテリーコネクタを外します。
液晶画面を開けるためには、最初に本体下部のペンタローブネジを外す作業が必要です。
吸盤を画面下部に取り付けてゆっくりと引き上げながら、すきまにヘラを差し込んで画面を開けていきます。
画面を開けた後は、メタルプレートでつながっているバッテリーコネクタを外します。
1つずつ丁寧に外していき、無理に外さないように取り組むのが大切です。
バッテリーを外して代わりに新品の交換用バッテリーを設置
バッテリーコネクタをすべて外したら、備え付けのバッテリーを外して交換用のバッテリーに付け替えます。
バッテリーは、強力な粘着テープで固定されているため、手で外すのは難しいです。
無理に外そうとするとバッテリーに衝撃が加わり発火する場合があり、本体故障の原因になります。
本体の背面からドライヤーなどで軽く加熱すると、粘着テープが容易に剥がれるため、剝がすのが難しい場合は試してみるとよいでしょう。
バッテリーを本体から外した後は、用意しておいた交換用バッテリーを設置します。
外すのと逆の手順を順番に行い画面を戻した後に動作確認をする
新しいバッテリーが設置出来たら、外した際の工程を逆に行っていきます。
粘着テープでバッテリーを本体に固定し、バッテリーコネクタを接続します。
外した際と同じ場所に設置していく必要があるため、外す際に内部の撮影をしておくと便利です。
液晶画面を取り付けて下部のネジで固定して、交換作業は完了します。
その後、動作確認をすぐに行いましょう。
電源を付けて正常に起動するかを確認するとともに、タッチ操作や充電およびホームボタンなどの作動もチェックします。
それでも対応が難しい場合は、専門業者への相談が必要です。
自分でのバッテリー交換が難しい場合は専門業者に相談する

自分でバッテリー交換をするのが難しい場合は、専門業者に相談しましょう。
本来、バッテリー交換を含めたiPhoneの修理は細かく専門的な作業を伴うため、専門業者への依頼が推奨されています。
自分で修理をするか、専門業者への依頼をするかを考える際のポイントとして、以下の2つの視点から解説をします。
- iPhoneのモデルによりバッテリー交換作業の難易度は異なる
- 自分での交換作業が適切かどうか状況で判断して専門業者への相談を検討する
iPhone修理の専門業者といえば、Appleの正規店のみでなく、近年は非正規の修理専門店舗も増えています。
本体の故障や、火災など事故発生といったリスクを考慮して、専門業者への依頼が向いていると判断される場合は速やかに相談するのがよいです。
iPhoneのモデルによりバッテリー交換作業の難易度は異なる

iPhoneのバッテリー交換の難易度は、モデルにより異なります。
バッテリー交換作業の基本的な手順は、基本的にはどのモデルでも同様です。
しかし、バッテリーコネクタの本数や接続の複雑さなど、モデルによって本体内部の構造が異なるため修理作業の難易度にも違いが生じます。
最新のモデルになるほど、耐水性を高める目的でバッテリーを固定する粘着テープの強度も高くなるのが一般的です。
さらに、非正規の部品に対して対応していないなど、純正品との相関性の高さもモデルにより違いがみられます。
最新のモデルのiPhoneを修理する場合は、難易度が高くなる点を理解しておきましょう。
自分での交換作業が適切かどうか状況で判断して専門業者への相談を検討する
バッテリー交換を実施する前に、自分で交換作業をするのが適しているかどうかを考えてみましょう。
自分でのバッテリー交換作業に向いている人および状況としては、以下のようなケースが挙げられます。
- 手先が器用で丁寧な作業に自信がある人
- 専門業者に修理を依頼する時間がない人
- 費用を最小限に抑えるのを最優先に考えたい人
安全面や保証の面を考慮すると、最初から専門業者に依頼したほうがよいです。
自分でのバッテリー交換は不可能ではないものの、適性と状況を考慮して専門業者に依頼したほうがよいと判断される場合には、自分で行わずに専門業者へ相談をしましょう。
iPhoneのバッテリー交換は安全第一で行いましょう

iPhoneのバッテリー交換は、自分で行うのも不可能ではありません。
自分で交換作業をすると、費用を抑えられたり短時間で修理ができたりする利点があります。
一方で、メーカー保証がなくなったり事故が発生したりするのも、理解しておきたい欠点です。
iPhoneのモデルによって難易度も変わるため、特に最新機種を利用している場合は修理が難しいと考える必要があります。
自分でバッテリー交換を行う際は、今回紹介した修理作業の準備と手順を参考に、丁寧に対応してください。
自分での修理作業が難しいと判断する場合は、信頼できる専門業者に相談するとよいでしょう。
自分に合った専門業者を探したい場合は、ぜひ以下のページを参考にしてください。
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